フィルター完全性試験とは 初めての方にやさしく解説

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これからフィルター完全性試験業務へ携わる方へ

フィルターと一言で表しても、コーヒーメーカのペーパーフィルタ・空気清浄機のHEPAフィルタなど様々な形式のフィルタがありますが、今回対象とするのは「医薬品・飲料品製造用工程用フィルター」です。

フィルター完全性試験はJIS k 3832/3833などに記載されている試験方法です。

本稿はわかりやすいよう、簡潔に記載しております。より詳しくしりたい、講習会を実施してほしいといった場合は下記フォームよりご相談ください。

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Q1 フィルター完全性試験とはなんですか?何故必要なのですか?

注射剤を代表とする無菌医薬品やビールなどの生産工程において、最終製品の汚染防止・目的物質除去のためメンブレンフィルター(精密ろ過膜)が使用されています。

熱や紫外線、薬液により滅菌する事もできますが、こういった方法では、ろ過対象(薬・酒類等)の組成・効能に影響を与えてしまう場合があります。

その場合、メンブレンフィルターを用いたろ過滅菌という方法を取ることがあります。一般に、ろ過法と言う場合、メンブレンフィルターによるろ過を指します。

メンブレンフィルターはナイロンやセルロース等の材質で、孔径が一定な膜(例えば0.22μmや0.45μm)が重なり構成されています。

文字通り、薬液などに内在する可能性がある微生物・微粒子等をフィルターで捕集する方法ですので、フィルターが公称値通りの捕集性能が担保されている必要があります。
この捕集性能を確認するために完全性試験を行う必要があります。

医薬品業界ではガイドラインによって、性能確認が義務付けられています。

Q2 どんな試験方法がありますか?

大別すると液体ろ過滅菌用親水性フィルターへの試験3種類(バブルポイントテスト、ディフュージョンテスト、プレッシャーホールドテスト)と気体ろ過用疎水性フィルターへの試験1種類(ウォーターイントルージョンテスト)があります。

各試験方法の特徴は下記の通りです。

①バブルポイントテスト

フィルターに対して、段階的に昇圧を行い、昇圧後の一定時間内に生じる圧力降下の値によって合否判定を行う試験です。フィルターの中の一番大きな孔の検出(ピンホールの検出)に効果的です。

②ディフュージョンテスト

フィルターに対して、一定圧力(規格圧力)まで昇圧し一定時間圧力保持を行い、その間にフィルター2次側に生じる気体の拡散流量によって合否判定を行う試験です。フィルター全体の劣化やダメージを検出するのに効果的です。

※フォワードフローテストという名称で呼ばれているケースもございます

③プレッシャーホールド試験

フィルターに対して、一定圧力(規格圧力)まで昇圧し一定時間圧力保持を行います。その間にフィルター1次側に生じる差圧によって合否判定を行う試験です。フィルター全体の劣化やダメージ等を検出するのに効果的です。完全性試験機には、この差圧をディフュージョンテストの流量に換算しているものもあります。

④ウォーターイントルージョンテスト

疎水性(水を通さない)フィルターに対して行う試験です。フィルターに一定圧力で水を押し込もうとする際に毛細管現象によって生じる微小流量で合否判定を行います。

*ハイドロコアテストの名称で呼ばれているケースもございます

Q4 完全性試験はいつするものですか?

完全性試験を行うタイミングは以下の4つが考えられます。

①ろ過前(フィルター装着後)

②ろ過前(SIP後)

③ろ過直後(洗浄前)

④ろ過後(洗浄後)

日本の製薬業界のガイドラインではろ過前の試験実施は推奨、ろ過後の試験は必須とされています。

弊社の知見では、②と④で実施されているお客様が多いように思います。ろ過後に薬液を用いて完全性試験を行われるお客様もおられ、その場合は②と③のタイミングでの実施となります。

*③での実施は、親水性フィルターのケースにおいてろ過液(薬液等)で実施する為、通常の水で実施する試験とは規格値が異なります。

フィルターメーカーによりろ過液に適した規格値を作成して頂く必要があります。

Q5 試験がうまくいかない原因は何が考えられますか?

完全性試験では、フィルター1次側に生じる差圧を利用して合否判定を行う方法が多く、試験がうまくいかない一般的な原因は、1次側の温度変化、配管接続部からのリーク、バルブからのリーク、湿潤不足、薬液残渣等が考えられます。

試験中のどのタイミングで、どういった理由で試験が不合格や異常終了するかを確認し、対処法を考慮する必要があります。

ご相談窓口や資料DLフォームをご活用ください! 

ここまでいかがだったでしょうか。試験原理についてや試験の選択方法等ご質問がございましたら弊社では、より詳細をわかりやすくお伝えする完全性試験入門セミナーを承っておりますので、お気軽にお問合せ下さい。

試験が合格しない・最終的に合格するものの何回も不合格になるケースがある、といった完全性試験についての個別のご相談は、CONTACTフォームよりお問い合わせください。

また、「どういったタイプの試験機であれば設備に導入できるかどうかがわからない」「試験機を購入する際、どういったポイントを重要視すればいいのか?」といったご質問を解決する資料DLを以下のフォームよりご請求いただけます、是非お申込みお待ちしております!

“4 Stepでわかるフィルター完全性試験機の選び方”

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